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TRPG各論第3回「マスタリング」 [TRPG・その他]

規約
・個人名・地名は避ける。

・以下の文は追記・修正を繰り返す。

・新たに追加文を書いたらコメントに入れる。

・第1章、第2章…と続いていくので、興味ある人はちょくちょくチェックして欲しい。

・CM・不都合アリと判断したら即削除

用語解説

◎超基本用語
TRPG(アナログRPG)…テーブルトークRPGのこと。ほとんどがサイコロ・紙・筆記用具・会話で行われる。実は全RPGの祖
TVゲームRPG(デジタルRPG)…家庭用ゲーム機やパソコン等を使用し、一人で楽しむことを主目的としたRPG。日本ではドラクエが代表的。
ネットRPG…色々語弊がある表現だが、上の二つのRPGとの差別化の為。家庭用ゲーム機やPC等を使用し、ネットや通信機能を使って複数人数で楽しむことを主目的としたRPG。ラグナロクオンライン・モンスターハンター等が含まれる。
ダイス(D)…サイコロのこと。六面体を「D6」、10面体を「D10」、六面体二個を「2D6」等と表現する。ダイスを振ることを「ダイスロール」あるいは単に「ロール」と呼ぶ。


◎人を指す用語
PL…全RPGにおける「プレイヤー」の略語。
PC…「プレイヤーキャラクター」の略語。PLが操るゲーム上の分身。TRPGでは基本的に一人のPLに一人のPC。
NPC…「ノンプレイヤーキャラクター」の略語。GMが操るキャラクター全てを指す。街の人から仲間、ラスボスまで全てそう。
GM…TRPG(アナログRPG)における「ゲームマスター」の略語。司会・データ処理・ゲームの進行・調整役。ほとんどのTRPGはコレがいないと開始出来ない。
PL専…プレイヤーしかやらない人のこと。暗に(GMをする)努力を嫌う人、楽なポジションを占有する人など、負のイメージで使われることがある。
吟遊…一人芝居がすぎる人間。主に物語重視するGMに現れる。「自分の物語は良いに決まってる」あるいは「他者は物語上信用できない」と思い込んでる事が多い。

◎ルール名称
ロードス…80年代後半から90年代まで、様々なメディアで展開された「ロードス島戦記」のTRPGルール。D10を使う以外、実はかなり手軽なルール
SW…TRPGで90年代前半国内王者で居続け「た」ルール「ソードワールドRPG」の略語。2D6で全て判定できる手軽さが大きく受けた。特に表記が無いときは「初代(1.0)」を指す。近年、「2.0」が出て萌え路線化にロートル達が仰天した。
D&D…TRPGで全世界において王者で居続け「る」ルール「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の略称。完成度がかなり高いらしい。メインで使用するのはD20。様々なバージョンが存在し、同一ゲームとは思えないものも存在する。


◎その他用語
口プロ…「口プロレス(くちぷろれす)」の略。PL・GM等の人対人において、口先の交渉術で相手をやり込める手法。以前はTRPGにおける交渉の主流だったが、PLの発想力・弁舌力にに頼るところが大きく、プレイの幅を狭くする・無駄な時間がかかりすぎる等の理由から近年は排除の方向に向かっている。
シナリオ…TRPGにおける一つの話。連続ドラマの一話分と解釈したほうがよい。一話限りで終わる話を「単発シナリオ」という。
キャンペーン…TRPGにおける連続したシナリオのこと。連続ドラマ全話をさすと解釈したほうがよい。ちなみに「連続シナリオ」とほぼ同義である
リプレイ…TRPGのプレイの模様を録音等で記録し、文書化すること。第三者の目に触れることが可能な一つの方法。チュートリアルとしての役割もあり、書籍も多く発売されている。

注意…ここではDM(D&Dの進行役名称)等も含め、TRPGの司会・進行役をGMと総称しております。悪しからず。
第一章「ゲームマスターとは」

先に書いておこう。
ゲームマスター(以下GMと呼称)は楽しい。
「出来る」人は限られる。
しかし、PL達を楽しませることが出来るは大部分GMの勤めだ。

自分のアイディアである物語が。
優れたバランスのダンジョンや戦闘が。
そして予期せぬことに対するアドリブが。
PL達に喜ばれる。

他の人に喜んでもらうことが好きな人には、堪らない喜びが溢れている。
このことを認識した上で、以下の文章を読んでいって欲しい。


GMはほとんどのTRPGにおいて、必要不可欠な役割だ。

居ないのは「TVゲームがやりたい。しかしTVゲーム本体が無い」という状態とほとんど変わらない。

実際、その役割はデータの処理・バランスの調整・物語のあらすじやダンジョンの作成等、TVゲームにおけるコンピュータの側の処理と類似した作業を求められる。

その役割は相当に「重い」。
作業量や負担はさらに「重い」。

ルールはほぼ全てを把握してなければ目の前のプレイは手詰まりになる。
その上でPLの要望を汲み取り、
かつ嬉しい誤算や意外な状況を提供し、
自分よがりな要素を自分作のシナリオから排斥し…。

「GMはツラいよw」なんて話は80年代後半の過去からされてきた。
一部にはそのネガキャンじみた活動のせいで
GMをやりたがらない「PL専(プレイヤーしかやらない人間。負担を嫌う人種とされ、この手の人間が発言力強いとグループは崩壊する可能性が高くなるとさえ言われる)」と呼ばれる人種まで以前から存在している。
しかし、はっきり言うと。

GMはやはりツラい。
だが、ツライのは必ずしも苦痛ではない。
ツライからこそ得られる喜びも多い役割だ。

ぽ村 なんかここ10年もGMしかやったことない。
当然、PLだってやりたいが、それでもTRPGを続けているのだから
少なくともGMはそれほど損な役回りとは思わないで欲しい。

…そこで次回を「GMの負担」なんぞにすると重くなるので、後回し。
敢えて第二章は「GMのタイプ」で。


第二章「GMのタイプ」

先に理解していて欲しいことがある。
「GMはPL達を楽しませる媒介である」
という事だ。

「自己犠牲か?カッコイイな?」
などと他のGM経験者からイヤミを言われそうだが、
ぽ村 はこの考え方を間違ってるとも思わないし、改めようとも思っていない。
むしろ逆に言った側に尋ねたいくらいだ。

「え?じゃ、チミはなんでGMやってるの??」
と。

GMの良し悪しを判断するのはGM本人とPL達だ。
PLを喜ばせることを忘れ、大半のPL達が不満そうな顔をしてるのに
「これで良い」
と胸を張るGMはただの自己満足である。


例えば ぽ村 がGMをやる時にA・B二つの選択肢が出たとしよう。
A「GMは不満だが、PL達が満足するプレイ」
B「GMは満足だが、PL達は不満なプレイ」
両者満足ならそれに越したことは無いが、その選択肢が無い場合
ぽ村 は迷わずAを選ぶ。

理由は簡単なことだ。
GM一人の不満は一人で済む。PL達が喜んでくれるならGMとしての評価も上がる。次回も楽しみしてくれるだろう。悪い話ではない。
GM一人の満足は一人だけだ。不満あるPL達に言わせれば「自己満足に付き合わされた」「自慰は一人で隠れてやってほしい」。当然GMとしての評価も下がる。次回の話も難しくなるだろう。

事実GMを続けたければ遊んでくれる(プレイに参加してくれる)PLが必要だ。
メンバーが「オマエのマスタリングなんて望んでない」
と言ったらどうだろう?
つまり、支持が得られてないならGMなど続けられるはずが無い。
「良いGMだった」という評価など得られるはずも無い。

まぁ、そういうことだ。

自分の努力で、他の人が喜んでるのを見て、それを自分の喜びに変換できる人はGMに向いている。
ぽ村 はそう信じて疑わない。

ここでようやく今回の本題。
GMの種類についてだが。
GMには大きく分けて二種類のタイプに分けられる。

「受動的GM」と「能動的GM」だ。

遊ぶルールや本人の性格・価値観で差が出るだろう。


ここで二つのタイプの特徴とリスクを挙げていきたい。

受動的GM
特徴
・ルール回しによるデータ処理を主眼とするGMに多い。
・基本的にPLからのアクションに対する反応がメインで、常にPLに自発的な行動を要求する。
・ルールまわし主体のTRPGに向いている。
・ダンジョン探索シナリオや単発シナリオ向き。

リスク
・PL達に思考や想像力・それに基づく行動を要求するが、思考・決断するPLがそのうち特定者に絞られるため、他のPLが思考を放棄しやすい。つまりはPL間の熱意に温度差が生じやすい。
・データのやりとり・ルール回しが飽きるとゲーム自体に対する興味を維持できない
・材料不足(説明不足)になることが多く、たびたび進行が停止する。


能動的GM
特徴
・口プロなどによる物語の展開を主眼とするGMに多い。
・基本的にPLに対して何かの「状況」を提供する。PLはソレに対するアクションを行う。
・連続物語式のキャンペーン向き。

リスク
・GMが積極的になりすぎると、「吟遊」と呼ばれるPLをないがしろにしたGMの一人芝居が炸裂する危険性が高い。
・PLが受動的になりがち。
・事故を避ける(キャンペーン崩壊を避ける為)ルール回しが少なくなることが多く、「戦闘によるPCの生死」といった緊張感から離れがちになる。
・GMの負担が重くなりがち。

ちなみに、ぽ村 は後者の「能動的GM」主体のタイプだ。
以前(それでも15年ほど前)はダンジョンシナリオなど「受動的GM」タイプのシナリオが好きだった。
しかし長いGM歴の中、
今は消滅した(に等しい)グループの需要に沿った結果、
こういう形となった。

その過程と詳しい理由は他の板でいずれ挙げるとするが、
例えばTRPGをどう遊んでよいか戸惑う初心者PLに対して、
「そっちがアクションしたらこっちは状況を提供する。アクションを起こしてくれ」
という受動的GMだったらどうだろう?

そもそも何をして良いかわからない初心者PLは戸惑い、そのテンポの悪さに次回のTRPGを遊ぶモチベーションを失いかねない。
TVゲームRPGですら、
「情報が足りない」「話が投げられっぱなしで何をして良いかわからない」と、
自由度の高い作品は好き嫌いが分かれる。

もちろん、そっちの方が良いというのがグループメンバー達の需要ならそれが正解だ。
かまわないと思う。

しかし、
ただでさえ地味でニッチな趣味。
そこに「高いやる気」「高い想像力」といったハードルを持ち込むのは、初心者を拒む要因だ。
初心者でなくとも、PL達に一定の負担を強いることになる。

1オフ式のシナリオで、みんながテンション高く…であればそれも通るかもしれない。
2回3回…と続くキャンペーンでは「次回もコレと同程度の負担が待っている」と、重圧になる。
それは最初は一部のメンバーかもしれないが、だんだん増えて、ついにはGM本人までも「面倒」と感じる。
キャンペーンどころか、TRPGという趣味の終わりに繋がりかねない事態である。

受動的・能動的とGMのタイプを二つに分けたが、その実グループの需要や面子によってタイプを変えられる柔軟さや経験が必要なんだろう。

一人のGMがPL達のニーズを把握しそこなった結果、
メンバー全体の一つの趣味が終焉を迎えるのは非常に歯がゆい結果だと思う。

結局は需要という名の使い分け、という結論に達したところで第三章は「吟遊に陥るメカニズム」で。

第三章「吟遊に陥るメカニズム」

別に頼んでも無いのにNPC同士が会話(つまりはGMの一人芝居)して、PC達の関与できない場所で話が進む。
あげくに戦闘もPC達が倒せるのは雑魚のみ。
ボスクラスの敵はPC達では全く敵わず、そこに超強いNPCが颯爽と現れ撃破(ラスボス含む)。

つまりはPC達はちょい役。
主役のNPCの盛り立て役を「やらされる」(これが「やる」という自発なら問題は少ない)

第三者的には「なんじゃそりゃ?」と思うかもしれない。
これが付き合わされたPLならなおの事だ。

上の要件が二つも揃えば間違いない。
これが「吟遊」と呼ばれるGMである。

語源は吟遊詩人(物語を一方的に一人で語ることから)。

第二章では受動型GMの弊害を挙げたが、能動的GMの弊害がコレだ。
正確にはコレに「陥りやすい」。

PL達に退屈させることを嫌う能動的GMは、
ダンジョンシナリオといったプレイの停滞しがちなシナリオを好まない。
その結果、ストーリー重視のシナリオ(キャンペーン)へと傾倒する。

物語をやるなら、より質の高い物語をPL達に提供したい。
そこでより質の高い(とGMが信じる)物語を用意する。
プレイの質を高める心意気や良し。
物語型のシナリオは確かに良い物語の方が良いに決まっている。

そう、ここまでは良い。
プレイを盛り上げる為にも、自分のシナリオを「面白い」と(結果が出るまでは半信半疑だが)信じることは面白いプレイを提供する一助だ。

問題なのは物語の質よりも
「TRPGがPLとGMの会話のキャッチボールなゲーム」ということを忘れていないか?
ということだ。

そうPL達はGM作話の聴衆ではない。
ゲームのプレイヤーだ。
そのことを忘れた時、GMは吟遊に陥る。

当然、吟遊は嫌われる傾向にある。
シーンとしては効果的なこともあるが、
TVゲームRPGで操作できないムービーが2時間も3時間も続いたらコントローラーを握る者はどう思うだろうか?
しかもそれがアマチュアな質と内容だったら?
答えは容易に想像できる。

ましてやTRPGは派手な映像も音楽も役者もいない。
なおさらだろう。

それでも割と多くの能動的GMが吟遊に陥る( ぽ村 も経験がある)。

この陥るメカニズム。
大きく分けて二つの要因が挙げられる

「俺様の物語はスゴイ、スゴイに決まっている!」
という自己過信
「いい話は用意したが、その話をこなせる質がPL達にあるだろうか?」
という他者(PL)不信

ウェイトに差はあるが、この二つの要因が吟遊GMの要件だと考えている。
つまり
「スゴイ話を持ってきた。PL達の質に任せると外れるかもしれないので、安定した質を見せる為にNPC達をガンガン動かして話を展開していこう!」

これが多数の吟遊GMの本音だ。

始末が悪いことは、吟遊シナリオの後、ため息をつくPL達を見たGMが
「話が面白くないのだろうか?」と誤解するケース。
さらなる吟遊を招くパターンだ。

ちなみに最もヒドイ吟遊に落ちるパターンはコレ。
自分のPCにスゴイ活躍をさせたいが、そんなシナリオをやってくれるGMがいない。
なら自分でやってしまおう。
自分のPC(つまりはNPC)大活躍の話は(自分が面白いと思っているから)面白いに違いない。
コレが非常に悪いパターン。
GMをやる目的が「みんなで楽しむ」から「自分が楽しむ」になってる非常に不味いものだ。

吟遊のきっかけは人それぞれだろうが、 ぽ村 の事例を挙げたい。

先述の通り、GMはPLよりも負担が重い。
その重い負担の結果が、ハズレなシナリオだった。
これは多くのGMにとって避けたい事態だ。
だからGMは安定したパターンを求めることが多い。

一度、物語式のシナリオで吟遊がウケたとしよう(吟遊もシーンによっては有効だったりする)。
「ああ、こんなモノ(吟遊)をPL達は望んでいるんだな」
と、誤解(?)する。
そして吟遊へと陥る。

そしてため息をつくPL達を見たGMが…

さらには盛り上げに協力しない(とヲレが思い込んだ)PL達に不信感さえ覚えるようになり、
PLにロールプレイを求めない為、自分のシナリオの吟遊率を高め…

これが ぽ村 のパターンだった。
他者不信というパターン。
さらには安定というパターンを求める一種の中級者病のような側面があるかもしれない。

安定と信じている自分の認識を「誤解だった」と理解するには、
かなりの時間と現実と好意的な批判を必要とする。

しかし、それを理解したところで
「今さら受動的GMはイヤだ。良い物語は作りたい。ハズレにしたくない。でも吟遊にはなりたくない…」
物語型で能動的GMはこの葛藤と長い戦いを強いられることになる。

その意味では、その苦悩から遠い位置にいる受動的GMは幾分楽だ。
ただし
楽=プレイの幅が広い・PL達の支持を集められる
というわけでもない。
根強い支持者はいるが
事実、受動的GMはTRPGの細い潮流からも排除の方向だ。
受動的GMをやるにしても、シナリオやマスタリングに大きな工夫が必要ということだろう。


…能動的GMである ぽ村 か?
ぽ村 は長い葛藤の末、回答を見つけた。
普遍的な解法ではないが
吟遊以上の正解と信じている回答だ。

内容はいずれ挙げる「総論」で。

もったいぶったところで次回は
第四章「GMが最低限しておくべき準備・中級者編」

第四章「GMが最低限しておくべき準備・中級者編」

中級者GMがしておかねばならないこと…

ルール星人ばりのルールの把握?違う。
ちゃんと破綻しないシナリオ準備?まあ違う。

というより、上に挙げた二点はそれなりに重要だ。
しかしそれは初心者GMが陥りがちな錯覚だったりする。

GMの仕事をよく思い出して欲しい。
基本的にTRPGはPLとの会話が中心だ。
ルールを行使してるシーンなど、シナリオにもよるが全体のなかで短い時間でしかない。

ルールはPLが把握してる範囲でしか行動は起こせない(だから、PLの知ってるルールの範囲を把握する必要もある)。
破綻しない(はずの)シナリオも結局展開次第では予想していた結末とは随分と違った形になることもある。

しかし、ここで問題だ。
「どうもこのままPL達の言うとおりにしていたら、シナリオが失敗(あるいは破綻)してしまう」
と、いうとき。
GMはどうするべきだろう。

当然、PL達を誘導するべきだ。
別の回でも触れたが、シナリオの失敗や後味悪い終わり方は参加者のモチベーションを失わせる危険性が高い。
それでも突っ走るPLなら仕方が無いが、
だからといって強制的に元の道に戻す策はPL達の不評を買うことになる。

PL達に、元の道に戻るメリットやらこのままでは危険というリスクを匂わせて、強要を匂わせず、「PL達が自分で判断した」と思わせるような形で本筋に戻す。

つまりは中級者GMが傾倒するべきは質の高いアドリブ能力と調整力だ。

計算外の事が起こっても動じない、そして理性的・理論的・合理的に対処し、誘導できる能力…
その心構えとシミュレートの両方が事前に求められる。
この「シミュレート」が出来るか出来ないかが、実は初級者GMと中級者GMの分かれ道だったりする。

近道はメンバーのPL及びPC達の性格と思考と需要の把握。
これでシミュレートの「アタリ」が付けやすくなる。

プレイ中はPL達の発言頻度にも気を使うべきだろう。
一部のPLとGMのみ盛り上がって、残りのメンバーは置き去りな展開は初心者GMが陥りやすいパターンだ。
発言が滞っている・口をつぐんでいるPLは状況を正確に把握できず、かつそれを質問出来ないでいるケースが多い。
そういうPLにはGMとしてでも話を振ったりして、参加できてるか否かを確認するべきだ。

盛り上がることがGMの本望というのはわかるが、
その盛り上がりから一歩引いたところでマスタリングが出来るのが、最も望ましい。

「ハイハイ、理想論ばかりね」とイヤミ言われそうだが、理想は目標だと思う。
その目標に、近づく努力も間違ってはいないと ぽ村 は考えている。
TRPGに限らず目標のあるプレイと目標の無いプレイは、それだけで後々の質に大きな差が生じるものだ。
追加の質問等はUPするのでコメントまで。

次回は第五章「GMのポジション」で。

第五章「GMのポジション」

今は引退してしまった名捕手、古田敦也の台詞
「野球は楽しい。生まれ変わっても野球はやりたい。しかし、捕手だけはやりたくない」
そんな言葉から始めよう。

上の言葉はしかし、捕手が居なければ野球という球技は成立しない。

色々と質は違えどGMとは、残念ながら捕手に近いポジションだ。

古田は言う
「捕手の何がつらいかって?弱音を吐けないんですよ。ピッチャーも弱音を捕手に吐く。それをなだめる。監督も捕手に弱音を吐く。それをなだめる。なだめる役の捕手が弱音を吐いたらチームがおしまいなんですよ。」

GMが弱音を吐いたとしよう。
「みんなの中で一番過重な負担を負いながら参加してる。
もう少しプレイに協力的になってくれよ」
PL達の反応はどうなるだろうか?
まずプレイ中なら、みんな黙り込む。
ただし各々で沈黙の質は違う

「努力自慢かよ…」 ぽ村 の経験上、コレが一番多い。
「このくらいで…オレがGMなら…」
「んなこと知ったこっちゃ無いがな」
「何この微妙な空気…早く続けろよ…」
「蹴落とすチャンス!」
なんて思っていたりする。

「ああ、こんなに苦労してるんだな、励まそう、協力しよう」と、思ってくれるヒトはなかなか居ない。
と言うか、思われたところで事態が打開されることはほとんど無い。
プレイ中に弱音を吐くのはズバリ無意味だからだ。
それどころかテンションを下げ、「プレイを面白くする」というTRPGの一種の普遍的な目標を確実に果たせなくする。

だからプレイ中は弱音を吐けない。
プライベートでも不安を口にすると、次回以降のセッションが行われるかPL達が不安(不審)に思うので、やはり可能な限り吐かない。
ギャグやネタっぽく吐いて、それでようやく笑って聞いて貰えるくらいだ。
吐いてしまっても、解決できた・なんとかなるという類の締めが必要だったりする。

つまりは「耐えろ」に尽きる。
しかも強がることも数多く必要だったりする。

みんなから文句を言われる役

と悪く言えばそうなんだが。
そもそもそんな耐えるだけの役というのが本当なら、やりたいヤツがいるはずも無い。

だから、実際は
「みんなを可能な限り不快にさせず、喜ばせる役」
と、思うことにしている。

上で愚痴った古田も、しかしそれだけの感想なら捕手の道を極められなかっただろう。
味わったはずだ。
捕手としてチームや試合全体をコントロールしていく充実感を。

だから他人の喜び=自分の喜びに出来るヒトがGMに向いているのだ。
上の「耐えろ」も、こう思えば良い。

「みんなが楽しんでくれる為に、今はちょっとだけ耐えよう」

愚痴や自虐ネタには事欠かないポジション。
でも、全体のコントロールやアイディア・アドリブ一つでみんなを湧かせるポジション。
ハイリスク・ハイリターンなGM。
皆さんも一度と言わず二度三度、いかがですか?

次回は第六回「セッションをコントロールできるGMとは」で。
タグ:TRPG
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コメント 6

ぽ村

第二章「GMのタイプ」をうp

第一章がなんだか妙な文章なのはGMについて語るものの葛藤が表れたとでも解釈してくれると嬉しい。
by ぽ村 (2009-11-02 01:47) 

ふっくん

語ってるな
このように語るぽ村もそれを読める俺も幸せだ
ぽ村ん家の住人に幸あれ
by ふっくん (2009-11-03 21:52) 

ぽ村

みんな来てくれて・読んでくれてアリガトー!!

ひとり寂しい人間にゃーみんなが心のささえだよTT
by ぽ村 (2009-11-04 01:24) 

ぽ村

第三章「吟遊に陥るメカニズム」をうp。
by ぽ村 (2009-11-12 23:16) 

ぽ村

第四章「GMが最低限しておくべき準備・中級者編」をうp

ちと忙しくて他の各論も続きが挙げられない中、
毎日のようにアクセスがある記事を優先して続きを書きました。
質問その他要望あれば遠慮なくどぞ。

by ぽ村 (2009-12-20 02:43) 

ぽ村

第五章「GMのポジション」をうp

いや…「各論が止まってる」という指摘をリアルで受けたので;
by ぽ村 (2010-12-19 11:41) 

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