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TRPG各論 ~第2回「『役割』を演じる?『個性』を演じる?」~ [TRPG・その他]

規約
・個人名・地名は避ける。

・以下の文は追記・修正を繰り返す。

・新たに追加文を書いたらコメントに入れる。

・第1章、第2章…と続いていくので、興味ある人はちょくちょくチェックして欲しい。

・CM・不都合アリと判断したら即削除

用語解説

◎超基本用語
TRPG(アナログRPG)…テーブルトークRPGのこと。ほとんどがサイコロ・紙・筆記用具・会話で行われる。実は全RPGの祖
TVゲームRPG(デジタルRPG)…家庭用ゲーム機やパソコン等を使用し、一人で楽しむことを主目的としたRPG。日本ではドラクエが代表的。
ネットRPG…色々語弊がある表現だが、上の二つのRPGとの差別化の為。家庭用ゲーム機やPC等を使用し、ネットや通信機能を使って複数人数で楽しむことを主目的としたRPG。ラグナロクオンライン・モンスターハンター等が含まれる。
・ダイス(D)…サイコロのこと。六面体を「D6」、10面体を「D10」、六面体二個を「2D6」等と表現する。ダイスを振ることを「ダイスロール」あるいは単に「ロール」と呼ぶ。


◎人を指す用語
PL…全RPGにおける「プレイヤー」の略語。
PC…「プレイヤーキャラクター」の略語。PLが操るゲーム上の分身。TRPGでは基本的に一人のPLに一人のPC。
NPC…「ノンプレイヤーキャラクター」の略語。GMが操るキャラクター全てを指す。街の人から仲間、ラスボスまで全てそう。
GM…TRPG(アナログRPG)における「ゲームマスター」の略語。司会・データ処理・ゲームの進行・調整役。ほとんどのTRPGはコレがいないと開始出来ない。
PL専…プレイヤーしかやらない人のこと。暗に(GMをする)努力を嫌う人、楽なポジションを占有する人など、負のイメージで使われることがある。
吟遊…一人芝居がすぎる人間。主に物語重視するGMに現れる。「自分の物語は良いに決まってる」あるいは「他者は物語上信用できない」と思い込んでる事が多い。

◎ルール名称
ロードス…80年代後半から90年代まで、様々なメディアで展開された「ロードス島戦記」のTRPGルール。D10を使う以外、実はかなり手軽なルール
SW…TRPGで90年代前半国内王者で居続け「た」ルール「ソードワールドRPG」の略語。2D6で全て判定できる手軽さが大きく受けた。特に表記が無いときは「初代(1.0)」を指す。近年、「2.0」が出て萌え路線化にロートル達が仰天した。
D&D…TRPGで全世界において王者で居続け「る」ルール「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の略称。完成度がかなり高いらしい。メインで使用するのはD20。様々なバージョンが存在し、同一ゲームとは思えないものも存在する。


◎その他用語
口プロ…「口プロレス(くちぷろれす)」の略。PL・GM等の人対人において、口先の交渉術で相手をやり込める手法。以前はTRPGにおける交渉の主流だったが、PLの発想力・弁舌力にに頼るところが大きく、プレイの幅を狭くする・無駄な時間がかかりすぎる等の理由から近年は排除の方向に向かっている。
シナリオ…TRPGにおける一つの話。連続ドラマの一話分と解釈したほうがよい。一話限りで終わる話を「単発シナリオ」という。
キャンペーン…TRPGにおける連続したシナリオのこと。連続ドラマ全話をさすと解釈したほうがよい。ちなみに「連続シナリオ」とほぼ同義である
リプレイ…TRPGのプレイの模様を録音等で記録し、文書化すること。第三者の目に触れることが可能な一つの方法。チュートリアルとしての役割もあり、書籍も多く発売されている。
第一章「『Role』 Playing Game」

ロールプレイングゲーム。
略して「RPG」
敵をぶちのめして、経験値を溜め、金を貯めて、強力なアイテムを入手し、物語を追って…的なゲームと世間一般的には解釈されている。

まぁ、この板的には当然、本当の意味はそうではない。

では、本当の意味とは?
TVゲームRPGやネットRPGを遊んでる人々は考えた事があるだろうか?

名は体を現す。
「Role playing game」
を訳してみよう。

「Role」=(役者の)役・役柄・(社会的な)役割・任務。

「Playing」=遊ぶ・(試合などを)行う…の現在進行形。

「Game」=試合をする・一定のルールの中で競い合うプレー・勝負事・遊び

…経験値云々の話は一切ない。
成長や物語という意味さえない。

演じるゲーム。
つまり、メインと思われているキャラクターの成長や物語は
「RPG」というその言葉の意味には無い。
つまりは本来の意味だと、ゲームとしては副次的なものである。


「原理論に則れば、世間一般の認識は間違えている!!」
と、ここで言うつもりは無い。
言っても意味ないし、世間の認識がが変わるとも思えない。
というか、このニッチジャンルの住人が約30年近く盛んに言い続けた結果が現在だ。

ただ、TRPGはそういった原理論を元に遊んでる。
ぽ村 もそのつもりで理論や意見を展開するので
それだけは忘れないで欲しい。

序章っぽい一章目だけど
第二章は「『Role』の解析で。」
ちなみに、ルールの回と少しかぶります。

第二章「『Role』の解析」

さて演じるゲームこと、
TRPGにおける「Role」を解説するために、
今回、サンプルとして挙げるキャラクターがいる。

「臆病な戦士」

だ。

割とアニメやマンガ・ライトノベルの類にいるタイプのキャラクターだと思う。

この戦士を解析してみよう。

「臆病な」=そのキャラクターの「個性=役」
「戦士」=そのキャラクターの「職業=役割」

つまり、前述の意味で言うと
「臆病な」は役者的な「Role」。
「戦士」は社会的(パーティやゲーム内的な)な「Role」
であると言える。

少々強引な話に思えるかもしれないが、
TRPGにおける「Role」の捉え方・重視する方向は昔と今とでかなり差異がある。

考えてみて欲しい
「臆病な(個性)」Roleに重点を置くと、戦闘が発生したときこの戦士は仲間を放って逃走するかも知れない。
事実、そういった個性をちゃんと演じないとペナルティが発生するルール(例・GURPS)も存在する。

逆に「戦士(役割)」Roleに重点を置くと、物怖じしながらも敵に立ち向かう戦士が想像できる。
戦士=前衛という役割を忠実に演じているのだ。

やはりダンジョンを探索・モンスター撃破・お宝ゲットなシステムが海外発祥で渡来したTRPGの大本である以上、
「Role」を「役割」として捉えるのが原理であることは否めない。
そういった考えに対する賛同者も(古参の傾向が強いが)多くいる。

しかし、ぽ村の経験上、そういった「役割」を中心として解釈したTRPGは寿命が短い。
もっとわかりやすく言うと「飽きられやすい」

ルールの回でも触れることだが、
ルールを熟知し、戦闘やダンジョン探索も飽き、何となくゲームの先が「見える」ようになると人は飽きる。
それを防止するために「ルールの変更」等が投入されるわけだが、
新ルールが気に入る保障はどこにも無い。

ましてや新ルールが上手くいっても、また熟知→飽きるを繰り返す。
そしてその次に新しいルールを…といきたいが、このニッチジャンルにおいて、「面白い」とグループが賛同するルールはどのくらいあるのだろう?

…おそらく、そこがTRPGという趣味の寿命である。
何となく遊ぶ回数は少なくなり、自然消滅。
最も多く、そして最も幸せな終わり方ではないだろうか?

ルール回しに面白さを見出してる者なら、それを主眼に置いた「カードゲーム」や「ボードゲーム」に移行するかもしれない。


しかし、そこで話は終わらない。
TVゲームRPGが海外のそれと国内のそれの方向性が違うように、TRPGも国内には違った方向性がある。
それは国内TRPGの普及したきっかけが「ロードス」であること、そして80年代後半である事に起因ししてるように思えてならない。

「ロードス」こと「ロードス島戦記」はまず雑誌のD&Dリプレイ連載で開始(後にロードスのオリジナルルールで展開する)。
その内容をライトノベルにコンバートし、「役割を演じる」タイプであるD&Dにもかかわらず、物語色を前面に押し出した「役を演じる」タイプの内容だった。

折りしも80年代後半は8Bit機(ぶっちゃけファミコン)全盛期。
投入されたTVゲームRPGは「成長しながら物語を追ってゆく」という現在では「JRPG(日本型RPG)」と呼称されるタイプに集約されてゆく。

ここに、「RPG=成長しながら物語を追ってゆく」という公式がTVゲームユーザーの中に定着。
TRPGもラノベでの展開と連動したルール投入を行っていたため、コレを大きく助長・利用した思われる(その方が新規参入者を引き入れやすい)。

物語を追う「Role=個性・役」タイプの話に、「Role=任務・役割」主眼のルールは副次的なものへと降格されたのである。
つまり、国内に限って言うと
キャラクターの「Role」が「Role=任務・役割」から
「Role=個性・役」にシフトする土壌がこの時点で整っていた、ということだ。

今回はここいらで。
第三章は「需要からの乖離」
またルールの回と絡めながら進める予定。
…どうでも良いが題名あまり関係ねぇな;


第三章「需要からの乖離」


無論、物語が中心(個性のRole重視)であれば、
物語の作り手の努力しだいで「先が読めて飽きる」ということが少なくなる。
「飽き」という「役割を演じる」タイプのRoleと違って、TRPGという趣味の寿命が延びるのだ


しかしその結果、メインは物語を追う(個性を演じる)に傾き、ルール(役割を演じる)は前述のように副次的なものになるという結果を招く。
物語が中心となると、ルールは物語の進行を止める一種の作業でしかない。
(もとより90年代前半までのTRPGルールの戦闘は単調で一つのルールで大きな戦闘を10回もやれば刺激もクソも無くなるのだ)

物語の進行を止めない為、ルール回しは1シナリオに1・2回あるかないかの戦闘(数回でも極端に短く終わる戦闘)、時間を食わない短いダンジョン。


物語の進行は当然口プロ。
口先の交渉術にほとんどルールは使用しない。

しかしそういった状況に納得いかないユーザー(主に古参・ルール星人)は
「それは単なるごっこ遊びだ。他所でママゴトみたくやれ。ゲームならルールを駆使するそれをゲームと呼べ」
「ルール回しこそがゲームだ。ルール回しがないTRPGはゲームじゃない、ただのごっこ遊びだ!!」
という反発を招く。

っつーか、 ぽ村 も直にその反発を食った。
正論には聞こえるが
そのままでは地味なルール回しを正道とするなら、「役」を演じるプレイがを目的とするユーザーの需要と乖離してしまう。

そう、古参の好きな潮流は残念ながら角へ追いやられてゆく
副次的なものへと格下げ(?)されたルールは、
汎用的で欠点の少ないものがずーっと遊ばれる(物語を追う事が主体である以上、ルールを変える必要が無くなる)という、商業的に行き詰まる状況になる。

そこで、TRPGルールを作っていた会社・団体はこぞってオリジナルカードゲーム市場へ移行。
金を出してカードの種類をコレクションしなければ、勝負に勝てない。
という、「ユーザーが金を払い続けなければゲームが続けられない」という、
サービス(新カード・新ルール)を提供さえやめなければ金が湧き続けるというシステムを
TRPGと同じく、これまた海外から「輸入」した。

これが発生したのが(長引く不況の影響もあるが)90年代後半から00年代初旬であると ぽ村 は解釈している。


便乗商法としか思えないが、
TRPG市場が冷え込んだ90年代末に投入された
「エヴァンゲリオンRPG」
は既存のキャラクターを土台にしながらも「役割=役」という境界をぼやけさせたものであった。

つまり
「ミサトという個性が役割(=役)です」
「シンジという個性が役割(=役)です」
と、すでに出来上がっている役を演じる事が役割をも演じていることになるのだ。
ルールまでもがそれを保障。
さらには心情の変化もルール化されていた。

サイコロの目による事故をあたりしか盛り上がり・期待が持てない内容で、
ルールの完成度は正直厳しい(ルールブックとリプレイを読んだ限りだが)ものがある。

しかし、実際TRPGのルール回しが好きな連中はカードゲームに移行してゆくなか
このスタイルは確かにカードゲームでは難しい「TRPGにしか出来ない」プレイスタイルの一つの回答だった。
さらには「ルールが無くなればTRPGはごっこ遊び」と主張する古参の主張にも対応した一つの形であるとも思える。

ぽ村はヤだけど。

次回は「直近の実践~ハギトとラースの冒険~」で
…なんだかルールの回とラインが引き辛いなぁ。。。

第四章「直近の実践・ハギトとラースの冒険」


つい最近のことだ。
TRPG初心者二人組相手に、
SWの名作ダンジョンシナリオと名高い「石巨人の迷宮」を打った。
二人ともダンジョンシナリオは未経験だったし、ルール回しにも習熟して欲しかった。
一種の経験である。

ちなみにこの「石巨人の迷宮」
ぽ村 はGM・PLとして何回か遊んでた為、何となく結果は見えていたが敢えて打ったと付記しておく。


そして終わった時の二人の感想から紹介しよう
ラースのPL(以下ラース)「んん、面白かったです。色々謎が多くて。推理するところもあったし。」
ハギトのPL(以下ハギト)「…(いや、ダンジョンシナリオはもういいかな…という表情)」


今回はなぜこのように二人で評価が分かれたか、その過程から分析していきたい。
と、いうのも
この日の両者とのプレイが、そのままダンジョンシナリオの欠陥の縮図であるからだ。

「石巨人の迷宮」は、ダンジョンに潜って敵をブチのめし、宝を頂戴する戦闘メインのシナリオ(以下、アタックダンジョンと呼称する)ではない。
いくつも仕掛けられた罠・仕掛けによる謎解きをこなし、まず勝てない敵が複数存在する謎解き型のシナリオだ(以下、リドルダンジョンと呼称する)。

デザイナーの山本弘は
アタックダンジョンメインのT&TやD&Dと一風変わったダンジョンを作りたかったのだろう。
PL達の推理力が大きく試される。
そんなシナリオだ。

ハギト・ラースそしてルエリア(NPC)3人はダンジョンに潜入。
NPCであるルエリアはまず進路や謎解き等に口を出さない。PC達のフォローにまわる。
GMが操ってるんだから当然だ。

つまり、PL二人がこのダンジョンの仕掛けを解く推理をしなければならない。
…が、ここで差が出てくる。

ダンジョン潜入当初こそ、二人で相談して向かう通路を決めていたが、中盤に差し掛かる頃にはラースがほぼ1人で行く進路を決定していた。
ラースはハギトより早く、このダンジョンの仕掛けのパターンを見切ってそれがことごとく正解。


通路はダンジョンの全体像を把握した方が良いというラースの意見で、行く先の決定権を自動的に掌握したのだ。
二人で意見を交わして行く先を一つ一つ決めるより、そういった「見切った」者が先導したほうが効率が良い。
当たり前・かつ常識だ。

ハギトも自分の盗賊技能を役立てようと自発的に鍵開けや罠の解除を行い始める。

読めない言語はNPCのルエリアに請い、読んでもらう。
一見、連携の取れた充実したプレイに思えるだろう。


しかし、それでもプレイ後の評価は分かれている。
何故か?

ダンジョンシナリオで、PL同士が相談することはわずかだ。
行き先など、個人が決めてしまった方が効率的。
あとは相談することと言えば、あの敵と戦うか逃げるか。
この暗号はどう解読すれば良いか?程度だ。

どこに進むか、自発的に選択できるのは小数か個人。
あとの者はその選択の結果、出てきた問題(戦闘・罠・鍵等)の処理を行う事になる。
つまり、PL達の大半が「自分が選択していない行動の後処理」を行うだけになる。

これがまだ後処理がまわってくるなら良い。

…パーティが6人の大所帯で、盗賊があと1人いたら残った盗賊は?
戦士系で殿を勤める者は、前線で戦闘が始まっても、通路が狭くて傍観するしかない。

MP温存で魔術師は当分出番が回ってこない。
「とりあえず、見てるだけで良いよ」仲間に言われたとしたら?

その戦士のPLだったら?
見てるだけで良いと言われた魔術師のPLだったら?

…で、手元にマンガや携帯ゲーム機があったら?

割と答えは簡単だ。
自発的に動く者は自分の力が攻略に役立ち、ダンジョンや謎を征服できた充足感が得られても
受動的にしか動けないものは流れ作業がちになり、満足いくものは得られない。

ましてやどの役割からももれた者はハッキリ言おう。
「ヒマ」になりさがる。

暇つぶし用のツールを手に取り
そして言う。
「戦闘始まって、必要あったら呼んで」
さらに、そのPL的に運が悪いと
そのまま必要とされずにダンジョンは終わり
「…俺、今日このセッション、参加しなくても良かったんじゃないか??。時間作って損した…」
という感想を抱いたりする。

一度コレを経験した者は別のダンジョンシナリオで何らかの役がもらえても、他のメンバーに気を使う。
「はやくダンジョンを終わらせよう」
「むしろダンジョンなんか無い方が良い」
と感じ、それを意見として挙げるようになる。

ぽ村 も数あるダンジョンシナリオの中で「石巨人の迷宮」を選んだのは何も名作と誉れ高いからではない。
(事実、今の目から見ると演出的に苦笑いするシーンもあった)
戦士ラース・盗賊ハギトが「職業という役割的に」活躍・見せ場を確保できると
その内容から判断したからだ。

つまり、「戦士」「盗賊」といった「役割」を十分演じられるシナリオを準備。
そして十分に演じられたはずだった。

しかし、結果を見るとどうだろう?
罠・鍵解除と、役割が多くまわって来たはずのハギトは不満そうな顔。
戦闘が二度しかなく、役割があまりまわってこなかったはずのラースは満足顔。

正直、二人から良好な感触が得られるとは思ってなかったので、予想通り。
いや、二人がダメ出ししなかっただけ良好な結果だった。

つまり、このセッションで解ったことは
「少なくともこのPL二人は」
楽しさの順列が
自発的に動く≧役割を演じる
ということだ。

両方バランスよくできれば文句は無いが
両方出来ない場合は「自発的に動く(そう思わせる)」の方にウェイトを置いたほうが
よりPL達を楽しませることが出来る。

ちなみに ぽ村 が見てきたほとんどのPL達は上の公式が当てはまった。
証拠に、「ダンジョンアレルギー」と呼ばれるほど
ダンジョンシナリオは極端に嫌われ、PL達の意見を汲む ぽ村 GMのシナリオからほとんど姿を消してしまう。

 
この「自発的に動く」を「自分の役として動く」に変えられはしないか…?

そう考えたのが、 ぽ村 が小難しいTRPG分析を始めたきっかけだったような気がする。

補足…そんなダンジョンシナリオでも、全てのPLが面白いといえるように工夫するのもGMのセンスだと思う。
以前は ぽ村 も腐心したが、それも結局は「能動的GM」としての能力が必要だった。


第5章は「口プロからの脱却。その背景」で。

 

 


第五章「口プロからの脱却。その背景」

わーおスゴイ8年だよ?
8年振りの続きだよ?

なんとまぁココの記事がそれなりに閲覧数あるって気付いたし、最近TRPGのシナリオを書くことがあったので続編を投下するのだよ諸君。


じゃあ続き。

上での用語解説にもある「口プロ(くちぷろ)」だが、近年、コレがTRPGの敷居を高くしているとと感じるようになってきた。

ぽ村 みたいなおしゃべりや古参には耳の痛い話だ。

しかし、その敷居が割とTRPGの趣味としての寿命を縮めている気がするので、今回はそれを主題にしたいと思う。


人間は色んなタイプが居る。


悪人善人
男性女性
インドアにアウトドア
おしゃべりに聞き上手
話し上手に話し下手。


そう、人とのコミュニケーションを苦手にしている人物だって居る。
ネット用語で言うとコミュ障とでも言えば言いのだろうか?


そういう人がコミュニケーション前提とするTRPGに参加すると、なかなか大変な話になる。

「物事や、自分の意見が言えない連中は加えなければ良い」
そんな乱暴な意見をこのニッチ趣味の中で振りかざすのもいかがなものかと思う。


現在リアルでもネットでもそのおしゃべりっぷりや奇文で周囲を辟易させる ぽ村 も、TRPG初心者時代はアウアウでロクにプレイに口出しできなかったのだ。

当時は周囲が先輩方で滅多なことを言えなかったのと、ルールに対する無理解から「ココで意見して良いモノかどうか」と、迷った末に発言を控えていた。

発言しても突飛なことばかり(今もそうという説もあるが、妄言なので気にしないでくれ)。
もし周囲が寛大な心で受け入れてくれてなかったら、TRPG趣味がココまで続いていたかも分からない。

でも何と言うかあまり発言できなくても楽しかったんだよ
あの限られた情報とルールの中で、みんなが一生懸命想像力を働かせ、作戦を練って解決しようと頑張ってる空気が本当に楽しかった!




なので一種のコミュ障に思える人達にもTRPGを楽しんでもらいたいという思いは人一倍だったりする。



その障壁の一つでもある「口プロ」について語りたい。



他人の事も言えない ぽ村 も含めてなんだが、「口プロ」の何が良いのか?

それは
「自分の知識と弁舌で相手を納得(屈服)させ、物語をより自分の望む方向に進めることが出来る」
ことだ。

世の男性は「自分の弁舌で説得・納得・評価・成果が得たい」という潜在的な欲望(本能とも言える)を持っている。
つまりは自分の思う方向に、聞いている相手の思考を理性的に変化させる事に達成感や勝利感を抱いている。
この点、相手の思考の変化ではなく感情的な同調を求める女性とは違うらしい。


普段の戦闘がルール知識とゲーム経験の総合戦闘とするなら、口プロはPL自身の人間としての知識や経験の総合戦闘だったりするワケだ。


GMもアドリブや説得対象のNPCの性格を意識して、その説得に立ち向かう。
これぞ弁舌戦闘・・・・


と、言いたいところだが。

大抵の場合はGMは落しどころを用意していたりする。
説得される対象のNPCには論理がある箇所で矛盾していたり、「このワードやこの件が持ち出されたら説得が成功する」なんてラインを設けていたりする。

つまり、ほとんどの場合、ある程度言い争うとPL側が勝利するようになっていたりする。

出来レースというか、どちらかが勝つことがある程度保証されていて、その過程を楽しむ・・・


ああ、そんな競技あったな。
あれだよ。
プロレスリングだ


なんて言ったらプロレスファンは怒るんだろうか?

しかし用語としてはそれで成立してしまっている。
「口プロレス(くちぷろれす。略して『口プロ』)」と。


しかしまぁそんな風に弁舌が達者な連中が幅を利かせると、個人・全体問わずにプレイの幅が狭くなる。

まず交渉役は弁舌達者なメンバーに頼りきりになるし、単独行動時に交渉が必要になった際、日ごろ弁舌が苦手なキャラだといざ自分が交渉役になると、アウアウになってしまう。


なにより厄介なのはPLの性格は≠PCの性格という図式だ。

口下手なPLが弁舌軽やかなPCになりたい願望だってあるだろうし、それを否定しないのはTRPGの長所だと思っている。


弁舌自信ありなメンバーはこのPLの性格≠PCの性格ってのを随分把握してない連中が多い。
というか、経験上ほぼ全員把握できていない。


その弁舌自信ありなPLは、クールでニヒルで口数少ない設定のPCを扱っていても、なぜか交渉ターンでPLの性格そのままによくしゃべる。
すごいしゃべる。
クールでもニヒルでもでもないしゃべりをして、それを指摘しても華麗にスルーする。


つまりは、弁舌自信ありな人ほどPL=PCに戻ってしまう。

だからいつもと同じパターンの役割分担になるし、性格設定とか無意味になるし、同じパターンでシナリオが進行し、同じだから飽きてTRPG自体に愛想がついてしまう。


「いつもと同じ」


これを打破しないと、TRPGというゲームの魅力を楽しめなくなると ぽ村 は思う。

「なら弁舌好きなPLは黙っていろ言うのかよ」
と攻撃されるだろう。

RPG=Role Playing Game(役割を演じるゲーム)

そんな言葉を攻撃してきた方々に送りたい。
無口なキャラという役割を自身で指定した以上、その役割を演じる努力はしなければならない。

それと同等に、口達者なキャラを自身で指定した以上、その役割を演じる努力をしなければならない。

そこで苦しんだことや発見したことは、ゲームと呼ぶにふさわしい思い出になるだろう。

でも後者はPLにその能力がない。


それなら、ルールでフォローすれば良い。

それが「交渉」のスキル。

サイコロのロールで、この交渉スキルを成功すれば、口下手なPLの操るPCでも交渉が成功したことになる。

逆に口達者なPLはかなり窮屈することになるだろうが、「自分ではない、自分が操る違う誰かが交渉をうまくいかせた」という、「自分では果たせない役割」を演じられた充足感は得られるのではないだろうか。

この交渉スキルのおかげで、口下手な人でもパーティ内で交渉役が任せられたりするシーンがあるだろう。


でもでもだって。
PCはPLの分身だし、PLの特技が生かせないなら、PCへの愛着が湧かない。


という反論が口達者な連中から返ってくるのが、見える。
私にも敵が見える(赤い彗星の馬沙)


その自キャラへの愛着は
「いつもと同じ。」

思い出してほしい。
その前に作ったシーフも同じ性格と立ち回りだっただろう。
その前に作った魔術師も同じ性格と立ち回りだっただろう。
そん前に作った吟遊詩人も(ry

変わっているのはPC能力だけで、性格は判を押したように同じ性格で
同じ役割で
そして同じような連中が続いているから、PCの名前とか忘れちゃったりする。


逆に口下手な人も然り。
思い出してほしい。
その前に作ったシーフも同じ性格と立ち回りだっただろう。
その前に作った魔術師も同じ性格と立ち回りだっただろう。
そん前に作った吟遊詩人も(ry

変わっているのはPC能力だけで、性格は判を押したように同じ性格で
同じ役割で
そして同じような連中が続いているから、PCの名前とか忘れちゃったりする。

本質は同一である。


「俺のPCの職業は戦士だ。戦士という役割(Role)は果たしている。ぽ村 の言う性格や設定とか不要な要素だ。邪道だ。」
そういう方にはうってつけにもMMORPGがあります。
どーぞ存分に職業を全うしてきてください。
無理とは思うんですけど、出来れば仲間とのコミュニケーションを最低限のレベルに控えてみてください性格や設定は邪道なんでしょう? 

そしてそこでも気づくでしょう。

「職業を演じるだけなのは割と限界がある」
という事実を。
「気づいたら仲間とコミュニケーションしてる方が楽しかった」 
という事実もセットで
コミュニケーションには性格も出てくるし 、設定だって必要になるかも知れない(何のことかって?わかってるくせにw)

ともあれ、ゲーム性だけに絞って考えると5つの職業があるとするなら、5つの職業を遊んで手詰まりになる。

つまり5周すれば飽きる話になる。

TRPGはそういった「職業的役割を求める」ことが実は少ないゲームだったりする。
職業的役割が積極的に求められるのは、戦闘ぐらいだろう。
その戦闘は1セッション中何回あるだろう?
その間のおしゃべりはどのくらいあるだろう?。

逆に戦闘の無いセッションは演じる魅力がないと唾棄されるセッションということで良いのだろうか?


ヲレは自身のGMするTRPGを、何十周しても遊べるゲームにしたいと願っている。

それの中には、戦闘ばかりのセッション、推理ばかりのセッション、恋愛を扱ったセッションに、戦闘を極力避けるセッション。
日常生活を楽しむセッションに、世界を救うセッションに、交渉に終始するセッション…
ドラマや漫画、アニメと同じく色んなバリエーションのセッションを設けてもいいはずだ。

口プロの話は規模を大きくするとそこまでの話になってしまう。

そうなると、現実の交渉能力ってそんなに必要なのか。
このプレイの幅の広さが、敵と味方と満足と不満足とを同時に精製している。。

だからこそ必要な自分の分身であるPC。


否、、PLの自分を殺して、いかにPCになり切れるか。

逆にPLの出来ないことを、いかにPCにしてもらうか。

そういったことも含めて、根が深いよね口プロ話。
サイコロ振って解決で良いじゃない交渉事。

でもね、PLが自分の弁舌で説得出来たり、事態が改善出来たりというのはかなりの達成感よ口プロ話。
サイコロの出目より、自分の必死の説得が印象残るじゃない、感動するじゃない。


でも、それでは弁の立たないメンバーが…だからサイコロの出目で交渉進行するのもヲレは良いって言ってるでしょセッションスムーズに進むんだし



と、ずーっと水掛け論、無限ループ…暗中模索似てて多分普遍的な正解は無い
多分哲学と一緒で「自分の納得できる」形を受け入れるしかないんだろう
でもそれは「他のメンバーが納得できる」形かというのはまた別の問題だったりする 
 
 
そもそもTRPGなんて趣味は、変に充足感と達成感と

そして嫉妬と征服感に似た感情混ぜ合わせて飲み込むような
厄介な趣味だ。


TRPGって、
そう思えるニッチでオタクで素敵な妄想爆発な趣味なんである。

せいぜい思い出と禍根を残して、グループが自壊すればいい。




つまるところ、弁舌で頑張ってしまう人ほど、プレイやパターンが同一方向に固まってTRPGの趣味としての寿命が短い傾向にある。

自分は弁舌豊かでない。
でも自分の意見が出ないけど、なんでかTRPGしているこの雰囲気は大好き。
自分の意見が反映されないけど 好きというのだ。 
 
そんな人達こそ、世のGMさんたちは大切にしてほしい。

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ぽ村

m9

そしてお前はエロCMを張る(ジョセフ風に)。
by ぽ村 (2009-10-02 00:28) 

ふっくん

ウリィィィ
ぽ村はRPGの定義をその名前から解釈してるが、これはぽ村のオリジナルな解釈か?それとも一般的(TVゲームユーザーは違うんだろうが)な解釈?
by ふっくん (2009-10-04 07:52) 

ぽ村

ゴゴゴゴゴゴ…
>>ふっくん
オリジナル違います。
一応ニッチながら一般的に
「役割を演じる」
がホントの意味です。
TRPGの源流は職業訓練だそうですので、間違いないかと。
(「レジの経験値が貯まった!!」とかありえねぇ。いや、面白そう?)

今回は予防線が効いたのかエロCMがきませんな。
ま、連中には関係ないか。
by ぽ村 (2009-10-04 11:58) 

ぽ村

あのねー今WIKIったらねー
意味は間違いなく正解だけど、源流はウォーシミュレーションのボードゲームっぽい。
詳しくはWIKIの「RPG」で。
by ぽ村 (2009-10-04 16:02) 

ぽ村

第二章「『Role』の解析」
をうp
他の板の文章も書いてますよん☆
by ぽ村 (2009-10-05 17:24) 

ぽ村

さっそくちょっと修正。
すぐ読んでくれたくれたヒト、ゴミン
<(__)>
by ぽ村 (2009-10-05 19:55) 

ぽ村

第三章「需要からの乖離」
をうp

久々の更新なのはTRPGの実践に忙しかったからということで。。。
by ぽ村 (2009-10-21 16:03) 

ぽ村

第四章「直近の実践~ハギトとラースの冒険~」
をうp

ロートルも初心者も是非読んで欲しいところ。
by ぽ村 (2009-11-18 01:08) 

ぽ村

挙げた早々、気になった箇所を修正
by ぽ村 (2009-11-18 13:38) 

ぽ村

第五章「口プロからの脱却。その背景」
をうp。

酒飲んでるんだけど、結末出てねぇ・・・まぁいい感じろ
by ぽ村 (2017-10-24 02:43) 

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